Wake up

Wake up(2024)

振付・出演:asamicro

楽曲:オリジナル/小畑仁・D / Prins Thomas

YOKOHAMA DANCE COLLECTION competition Ⅰ 奨励賞受賞

Macau CDE(Contemporary Dance Exchange)Springboar招喚 (海外招待作品「Wake up」)

記録撮影:菅原康太

Wake up 作品概要

本作品のタイトル Wake up を日本語で調べると【目覚める】【起床】【覚醒】

などがある。そして、覚醒状態については、「目が覚め、意識がはっきりして

いる状態であり、この場合目を閉じている状態でも用いられ、本能的なもの

が働きはじめる意味でもある。」と記載があった。

 私は海のある小さな漁港町で生まれ育った。祖父母が漁師であり、幼い頃

よく海に手伝いにも行った。様々な理由が重なり、家族が解散し、家を点々

としていた為、一般的に言われる「実家」と言う場所は現在待っていない。

時間の経過と共に変わりゆく町並みや変化する風景ではあるが、私の身体は

しっかりと当時の景色や、出会った人たちを覚えている。

 今は亡き風景を思い出す時、地に足をつける。重心を下に落とし、足の裏

をべったりと地面にくっつける。当時の道を歩くことで、砂浜や土、コンク

リートの地面でさえも幼少期から蓄積された記憶は蘇り、リズムが生まれて

くる。まとまらない感情は乱れたリズムで私を踊らすが、床を踏み込み、そ

して床から立ち上がり、今この地に対して目を開いて身体を起こしてゆきた

いと踏ん張っている。

床には、地面には、蓄積された、決して亡くならない風景の記憶やリズムが

眠っているはずだ。

あなたのルーツにはどのようなリズムがあるだろうか?

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